切除断端陽性・陰性について


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外科的に乳癌(腫瘍)を含めて乳腺組織を切除した際
乳腺外科医が一番気にかけていることは最終病理診断における
切除断端陽性 or 陰性ではないかと思います。

 
しかし、切除断端陰性 (切除した組織の端に癌細胞がない=取り残しの可能性なし)
の定義が、日本とアメリカでは違っています。
日本においては、切除端から5 mm以内に癌細胞が存在しない
アメリカにおいては、no ink on tumor = 切除した臓器を特殊インクに浸け、顕微鏡下での切除断端の癌細胞の存在を観察しやすくした上で、切除断端に癌細胞が存在しない
日本の方が、アメリカより厳しい基準となっています。

 
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25081342 の報告によれば
断端陽性 (ink on tumor) であれば2倍の局所再発リスクがあることは言うまでもありません。
しかし、断端陰性 (no ink on tumor) は局所再発のリスクを最小限にするものの、より広範囲の追加切除が再発リスクを極端に下げるわけではないとのことです。
要するに、断端陰性は極めて大事ではあるけど、再発は Subtpe などの違った側面も十分影響しうることになります。

術後補助療法がいかに大事かも思い知らされます。

 
no ink on tumor これは極めて単純で、分かりやすい指標だと思います。