専門医試験 -病態-


線維腺腫
乳腺線維腺腫のような上皮と間質細胞の両方が同調性に増殖する疾患では、どの細胞成分が腫瘍性増殖(クローン性増殖)の主体であるかが問われる。
遺伝子再構成などの結果では乳管上皮成分は多クローン性、間質細胞が単クローン性という研究結果が報告されている。今後の研究動向に注目する必要がある。

女性化乳房症
甲状腺機能亢進症、肝硬変のような女性ホルモン代謝異常、慢性腎不全などの随伴や
ジギタリス、降圧利尿剤、前立腺治療、抗潰瘍薬、抗精神薬などの薬剤性のものもあり

乳管内乳頭腫
乳管内に認められる良性乳腺腫瘍で、血管結合組織を軸とした上皮細胞と筋上皮細胞の増殖である。
乳頭に近い太い乳管に生ずる中心性乳頭腫(central papilloma)と小葉に起源のある末梢性乳頭腫(peripheral papilloma)に大別される。

アポクリン化生
乳腺組織の細胞がアポクリン腺の細胞のように変化することを「アポクリン化生」と言い、乳腺症でよく見られる変化の一つ。

アポクリン化生細胞
アポクリン汗腺上皮に類似した好酸性の細胞質を有する立方状の細胞。良性では乳管腺腫や乳管内乳頭腫、乳腺症などに、悪性ではアポクリン癌にみられる。

治療効果判定
CR: Complete Response、腫瘍が完全に消失した状態

標的病変として選択したリンパ節病変は、短径で10mm未満に縮小
PR: Partial Response
腫瘍の大きさの和が30%以上減少した状態
SD: Stable Disease
腫瘍の大きさが変化しない状態
PD: Progressive Disease
腫瘍の大きさの和が20%以上増加かつ絶対値でも5mm以上増加した状態、あるいは新病変が出現した状態

 

線維腺腫と粘液癌の鑑別点

 

FA(浮腫状)

FA(硝子化) 粘液癌

エコー

低-等エコー 後方エコー増強 低エコー 後方エコー減弱 等-高エコー 後方エコー増強

T2WI

高信号

低信号

著明な高信号

ダイナミック

Persistent Rapid-plateau 弱いPersistent

弱いPersistent

 

粘液がん (mucinous carcinoma)
浸潤性乳管がんの特殊型のひとつに分類

特殊型の中では乳がんの1-6%と比較的頻度が高く、予後良好。
腫瘍のほぼ全体が粘液がんよりなる純型(pure type)と他の組織型が併存する混合型(mixedtype)に分けられます。平均年齢も高齢であり予後は良好とされています。

診断:
マンモグラフィでは円形、楕円形あるいは軽度分葉状で比較的境界明瞭な腫瘤として見られることが多い。混合型では腫瘤像は境界不明瞭や、スピキュラを伴うことも多い。随伴する石灰化を認めることもあり、腫瘍外側の石灰化は間質への浸潤や乳管内進展を示している場合もある。超音波検査において形状は、比較的境界明瞭な腫瘤として認められることが多い。内部エコーは全体としては低エコーですが、高エコーの部分がびまん性に見られることが特徴的です。これは、がん巣が粘液内に比較的均一に散在し、各々の細かな反射をとらえて高エコーとなるためです。また、背景が粘液なので、腫瘍を通過する超音波も多く、後方エコーが増強し側方陰影も認めることが多い。混合型は、エコーレベルの異なった2 つの成分として描出され、境界も不明瞭となることが多い。MRI では粘液を反映してT2 強調像で著名な高信号を呈する。

基質産生癌(MPC)
・matrix producing carcinoma:MPC
・軟骨基質産生を特徴とする浸潤癌。
・広い軟骨基質が癌巣中央に分布し、周囲に浸潤巣が存在。
・圧排増殖性腫瘤陰影を呈する。
・軟骨基質を反映してT2WIで高信号、造影MRでリング状濃染。

 

水分 T1で低信号(黒)、T2で高信号 のう胞 脂肪抑制T2強調画像で境界明瞭な内部均一な高信号腫瘤
水の抵抗と覚える!

脂肪 T1で高信号(白)、T2で灰色  脂肪成分や血液・液体成分や浮腫
空気 T1でもT2でも低信号(黒)
   T1でもT2でも低信号(黒)

線維線種   T1強調画像ダイナミック撮影 漸増性の造影効果
       粘液変性をきたした場合、脂肪抑制T2強調で高信号

乳管内乳頭腫 T1強調画像 高信号の拡張乳管 嚢胞がはっきりしない場合
       ダイナミックにてrapid washoutパターンを呈することが多く、悪性との鑑別が問題となる。

血管肉腫   T1強調 低、T2強調画像 高

悪性葉状腫瘍 T1強調 高、T2強調画像 低~等、低ADC

拡張乳管   T1強調画像で高信号

扁平上皮癌  嚢胞性腫瘤として描出されることが多い

細胞密度
・腫瘍の密度が高いものは悪性の傾向がある。

・腫瘍の密度が高いと
CTで高吸収、DWIで高信号(ADC信号低下) ADC;拡散係数
T2WI低信号(ただし非特異的、軽度高信号のこともある)
造影効果あり
造影MRIの画像所見は月経周期に影響を受ける