専門医試験 -薬物治療-


フルベストラント(フェソロデックス)
ホルモン受容体陽性乳癌の治療に用いられる薬剤の一つである。抗エストロゲン薬投与後に増悪した閉経後の患者に用いられる。
エストロゲン受容体完全拮抗薬であり部分作働性を持たない上、プロテアソームに因るエストロゲン受容体の分解を促進する。

デノスマブ(ランマーク)
破骨細胞の分化誘導因子であるRANKL (receptor activator of NF-κB ligand) を標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体製剤、分子標的治療薬。

ベバシズマブ(アバスチン)
血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) に対するモノクローナル抗体である。
VEGFの働きを阻害することにより、血管新生を抑えたり腫瘍の増殖や転移を抑えたりする作用を持つ。

VEGFに対するモノクローナル抗体であり、標的はVEGFRではない

エベロリムス(アフィニトール)
mTOR阻害薬

他のmTOR阻害剤同様に、細胞内での信号伝達を阻害する。ただしエベロリムスはmTORC1 にのみ作用し、mTORC2 には影響しない。
mTORC1のネガティブフィードバックはAKTキナーゼを活性化し、かつmTORC2を阻害しないためポジティブフィードバックがおこりAKTを活性化する。
このAKTの活性化はある種の細胞をアポトーシスへ導く。

主な副作用としては口内炎、発疹、貧血、疲労、下痢、無力症、食欲減退などが知られています。
重篤な副作用に間質性肺炎や感染症が知られているため、薬の使用に当たって注意が必要です。

1日1回時間を決めて、空腹時(食事の1時間以上前あるいは食後2時間以降)にコップ一杯の水あるいはぬるま湯と一緒に服用します。

「アフィニトール」は、腫瘍細胞の分裂、血管新生および細胞代謝の調節において重要な役割を果たすmTORタンパクを標的とするmTOR阻害剤です。
乳がんの内分泌療法に抵抗性を示すメカニズムの一つとして、PI3K/AKT/mTOR経路の過剰活性と関連があると考えられており、内分泌療法に「アフィニトール」を併用することで、内分泌療法への抵抗性を克服して治療効果を高めることが期待できます。

進行性乳がんに対する「アフィニトール」の有効性と安全性は、日本を含め世界24カ国で実施された無作為化・二重盲検・プラセボ対照・多施設共同第III相臨床試験であるBOLERO-2(Breast cancer trials of OraL EveROlimus-2)試験の結果で確認されています。本試験は、エストロゲン受容体陽性かつHER2陰性で、レトロゾールまたはアナストロゾールに抵抗性の局所進行性または転移性の閉経後乳がん患者さん724名(うち日本人106名を含む)を対象としており、患者さんは「アフィニトール」併用群(485例)またはエキセメスタン単独療法群(239例)に2:1の割合で無作為割付けされました。

ラパチニブ(タイケルブ)
EGFR(ErbB1)、HER2(ErbB2)のチロシンキナーゼ活性を選択的に阻害(in vitro)する。各受容体を介する下流へのシグナル伝達(MAPKやPI3K/Akt経路)を阻害する結果、アポトーシスを誘導し、腫瘍細胞の増殖を抑制

ラパチニブは、分子量が小さいため、細胞膜を通過し細胞内に入り、HER1とHER2という2つの受容体に共通のチロシンキナーゼドメインに直接結合して作用する。すなわち、2つの受容体のチロシンキナーゼ活性を阻害することで、下流のシグナル伝達が抑制される。
体内動態は食事の影響を受けるため、食事の前後1時間以内の服用を避けて毎日決められた時間に経口投与する。

ペルツズマブ(パージェタ)
ペルツズマブがHER2に結合することにより、免疫細胞を活性化(抗体依存性細胞傷害活性)させて、がん細胞を殺す効果も期待されている。ペルツズマブとトラスツズマブの作用機序は相に補うものの、HER2受容体への結合部位は異なっており、化学療法の併用によりHERシグナル伝達系をより広範囲で遮断できると考えられている。

ビノレルビン(ナベルビン)
他のビンカアルカロイド系の薬と同様、微小管(細胞分裂時に染色体を新しい細胞に移す役割を果たす)や、微小管を構成するチューブリンに作用して、抗腫瘍効果を発揮するとされています。

スニチニブ(スーテント
がんに対抗するために使用される薬としてスニチニブ(商品名:スーテント)があります。スニチニブはマルチキナーゼ阻害薬と呼ばれる種類の薬になります。分子標的薬と呼ばれることもあります。2008年4月に承認され、同年6月に発売された消化管間質腫瘍(GIST)と腎臓がんを対象とした抗がん剤で、血管新生に関与するVEGF(血管内皮細胞増殖因子)受容体と、腫瘍増殖に関与するPDGF(血小板由来増殖因子)受容体など複数の受容体を標的としています。

HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体トラスツズマブ エムタンシン
(T-DM1、商品名「カドサイラ」)

HER2に結合するとDM1が細胞内に放出される。

PARP阻害剤
BRCA1BRCA2の変異のために生じた癌は進行が速くこれまで有効な治療に乏しかったが、PARPというDNA修復酵素を阻害するオラパリブという分子標的薬が海外での臨床試験で有望な結果を示している[6]。オラパリブはDNAを1本鎖切断しDNAの修復に関わるPARP(ポリADPリボースポリメラーゼ)を阻害する。BRCA1やBRCA2に変異がある腫瘍細胞はもともとDNAの修復能が落ちて変異が生じたために癌化したものであるが、自身の増殖に使える程度の修復能は残っている。これがオラパリブで阻害されることにより増殖できなくするというもので、この薬剤は、いわばがんを「自殺」に導く薬といえる。

アルキル化薬
DNA塩基に対してアルキル基を結合させることによって正常なDNAの合成を阻害する。細胞周期特異性はない。シクロホスファミド

白金製剤
DNA合成阻害。細胞周期特異性はない。カルボプラチン

代謝拮抗薬
ほとんどが核酸代謝の阻害剤。分裂増殖の盛んな細胞で作用する。

カぺシタビン(ゼローダ)、TS-1、ゲムシタビン(ジェムザール)

抗癌抗生物質
ドキソルビシン(アドリアシン)、エピルビシン

微小管阻害薬
パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン(ナベルビン)