乳房温存手術

内視鏡的乳房温存手術

 

現在においては全体の6割以上を占め、乳がん治療において重要な位置づけとなっています。これは “温存” という言葉の響きから、多くの患者さんに受け入れやすいことが影響していると考えます。
内視鏡を用いた乳房温存手術が流行った時代がありましたが、今や内視鏡を用いても、用いなくても同じような美しい乳房形態を再現できます。

 

乳房温存術の適応条件
大きさ 3 cm以下で単発(多発でない)
乳がんが広範囲に拡がっていない
術後整容性が保たれる(症例1,2)
場合などです。乳房 “温存” なのに、術後に乳房の著しい変形を来たすようでは、全く意味がありません。
乳房が小さめの方にとっては、乳がんが1 cmでも、著しい変形を来たす場合があります。

 

私の乳房温存手術執刀症例

症例1


右A領域 Stage IIA 症例

症例2


右C領域 Stage IIA 症例

n_01

 

Stage II 以下なら、乳房温存手術+術後放射線治療乳房切除術の治療成績は同じです。
当然ながら、共に切除断端陰性 (乳がんの取り残しがない) ことが大前提になります。
切除断端陰性で、整容性が優れていれば最も理想的な術式です。

乳房温存手術を分かりやすく理解する方法

 

乳房をあんパンに例えて説明します。
“ゴマ” 部分が乳輪と乳頭です。
“皮” と “下地” の部分が、『皮膚』と『皮下脂肪』です。
“あん” が『乳腺』です。

乳がんは、乳腺から発生します。ですので、”あん” の一部分が “カビ” ちゃったと表現します。

この “カビ” を放置すれば、当然広がります。
ですので、 “カビ” の部分を少し大きめに一部だけ切除するのが、乳房部分切除です。
残りの “あん” からまた “カビ” が出てくる(再発する)と困るので、防腐剤(放射線照射)をまきます。

これで、あんを全部とる(乳房切除)したのと同じ治療成績になります。

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