乳房温存術後には、必ず乳房全体に放射線照射を行なうため
乳腺組織を切除した部分の皮膚は特に、程度の差こそあれ
瘢痕化してしまいます。
シリコンを用いた乳房再建は、乳房を全摘した場合のみ保険適用になるため
また皮膚の瘢痕化が強い場合、移植した脂肪の生着率が悪くなるため
著しい変形をきたしてしまった乳房温存術後の修正を試みるには
いろんな意味でハードルが高くなります。
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局所変形に悩んでおられた
右C領域 T2N1M0 Stage IIB 乳房温存術後の方です。
まず、下腹部から脂肪吸引して、移植用の脂肪組織を
150 ml 用意し、欠損部に移植しました。
移植後がこちら↓です。
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凹みと乳頭の外側偏位が少し改善しましたが
乳房全体のボリュームがまだ足りません。
そこで、ヒアルロン際 100 ml を注入し
乳房全体のバランスを整えました。
まずまずの結果だと思います。
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