-その他-

制吐剤
5HT3受容体拮抗型制吐剤『 アロキシ®静注0.75mg 』(一般名:パロノセトロン塩酸塩)

アプレピタント(商品名:イメンド)

抗がん剤による嘔吐
急性嘔吐  投与後24時間以内に出る

遅延性嘔吐 投与後24時間後から4日目ぐらいまで続く
予測性嘔吐 考えただけで吐き気・嘔吐が出る

急性期の悪心・嘔吐を抑えるには、セロトニン受容体拮抗薬(5-HT3受容体拮抗薬)「グラニセトロン」(あるいはラモセトロン、またはオンダンセトロン)とステロイド薬「デキサメタゾン」の併用が有効である。悪心・嘔吐のリスクが高い抗がん剤を用いた場合も、セロトニン受容体拮抗薬を使えば急性の悪心・嘔吐は約75%抑えられる。

推奨グレード
A    高度リスクの抗がん薬に対しては, アプレピタント(もしくはホスアプレピタント)と

    5-HT3 受容体拮抗薬およびデキサメタゾンを併用する。
A   中等度リスクの抗がん薬に対しては, 5-HT3 受容体拮抗薬デキサメタゾンを併用し,
          特定の抗がん薬を使用する場合は,さらにアプレピタントを追加・併用する。

 

HER2
細胞の生産にかかわるヒト上皮細胞増殖因子受容体とよく似た構造をもつ遺伝子タンパクです。HER2タンパクは、正常な細胞にもわずかに存在し、細胞の増殖調節機能を担っていると考えられていますが、過剰に発現したり活性化したりして細胞の増殖や悪性化に関わるとされています。

乳癌細胞での発現は、約2025%を占めるが、成人の正常乳腺細胞ではほとんど発現していない。
HER2過剰発現乳癌の約半数がホルモン受容体陽性である。

腎機能指標が必要な薬剤
カルボプラチン、TS-1、イリノテカン、シクロホスファミド

妊孕性
40歳以上の乳がん患者へのアルキル化剤(シクロホスファミド)の使用に関しては80%以上が卵巣機能不全になる。

閉経の定義
「1年以上月経がみられないもの」。子宮摘出を受けている場合には、血中E2( エストラジオール)が低値(10~20pg/mL以下)かつFSH(卵胞刺激ホルモン)が高値(50~60mIU/mL以上)を閉経後とする。閉経年齢は欧米人と日本人に差はなく、平均50歳。

ゾレドロン酸【警 告】
(1)投与は必ず15分間以上かけて行うこと。[5分間で点滴静脈内注射した外国の臨床試験で、急性腎不全が発現した例が報告されている。]
(2) 悪性腫瘍による高カルシウム血症患者に本剤を投与する場合には、高カルシウム血症による脱水症状を是正するため、輸液過量負荷による心機能への影響を留意しつつ十分な補液治療を行った上で投与すること。

多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて34週間間隔で点滴静脈内投与する。

ビスホスホネート系薬剤を長期使用している患者において、非外傷性大腿骨転子下非定型骨折及び非外傷性近位大腿骨骨幹部非定型骨折が発現したとの報告がある。

ビスフォスフォネート製剤  In vitroで抗腫瘍効果あり

 

乳癌治療薬において有望視される効果予測因子
 乳癌細胞株の遺伝子発現プロファイルを解析し、化学療法に対する感受性因子あるいは抵抗性因子を明らかにする試みが進んでいる。現在、乳癌治療薬の効果予測因子として有望視されているものをに示す。

15-FU系薬剤  5-FUは、最終的に癌細胞のRNAに取り込まれてRNA機能障害を起こしたり、DNA合成の重要な酵素であるTS(thymidylate synthase)を阻害することで癌細胞を障害する。これまでに、5-FUの異化酵素であるDPD(dihydropyrimidine dehydrogenase)および標的酵素であるTSに遺伝子多型が存在することが報告されており、薬剤感受性との関連が指摘されている。また、TP(thymidine phosphorylase)やOPRT(orotate phosphoribosyl transferase)などの代謝酵素も効果予測因子として有望視されている。

2)タキサン系薬剤 BRCA1の変異を伴う乳癌患者はタキサン系薬剤に耐性を示し、これらの癌細胞ではBcl-2が欠乏していることが報告されており、タキサン系薬剤に対する感受性とBcl-2との関連が注目されている。 3)アンスラサイクリン系薬剤 アンスラサイクリン系薬剤の標的酵素はトポイソメラーゼIIα (TopoIIα)であることから、TopoIIαはアンスラサイクリン系薬剤の効果予測因子になりうる可能性がある。またTopoIIαはHER2に近接したヒト染色体17q領域に位置しており、TopoIIαの異常に伴ってHER2の異常が生じること、HER2陽性例の38%にTopoIIαの過剰発現がみられ、HER2のアンスラサイクリン系薬剤に対する感受性は、主にTopoIIαに規定されていることなどを報告し、TopoIIαの発現状況をみることで、より厳密にアンスラサイクリン系薬剤の効果を予測できるとの見解を示している。  さらに、アンスラサイクリン系薬剤はp53依存的なアポトーシスにより効果を発揮するとされており、p53も感受性に深く関与していると推測される。

Claudin-low
232人のヒト乳癌と122個のマウスの乳腺腫瘍を合わせた大規模なクラスター解析を行い、乳癌幹細胞により近い性質を持つClaudin-lowというサブタイプを追加

Tight-junctionで細胞間バリアーを形成する主要な蛋白質であるClaudin 3,4,7E-cadherinなどの発現が低いという特徴がある。

 

エストロゲン受容体
ステロイド受容体スーパーファミリーに属する分子の一つである。卵胞ホルモン受容体とも呼ばれる。そもそもエストロゲンとはエストロン(E1)、エストラジオール(E2)およびエストリオール(E3)の3種類の分子を指しており、いずれもERとの結合能を有するが、中でも生体における産生量はE2が多い。エストロゲンはステロイドホルモンの一種であり、生殖機能の形成および細胞の増殖を促進する働きを持つ。その生理作用を発現するためには標的組織に存在しているERへの結合を介する必要がある。ERに対してリガンドが結合するとERは活性化を受けてDNAへの結合が促進され、遺伝子の転写を制御する転写因子として機能する。また、植物中に含まれるイソフラボンなどの分子(植物性エストロゲン)や内分泌撹乱物質もERに対して結合能を有し、作用を発現することが知られている。加齢依存的なメチル化を受けること、同時に発現量が減少することを示した。ERはPgRの転写をも活性化する。ERのリン酸化はリガンド依存的・非依存的のいずれの転写活性化機構も促進し、中でもアミノ基末端側から118番目のセリン残基(S118)のMAPキナーゼやCDK(サイクリン依存性キナーゼ)7によるリン酸化が重要であることが報告されている。また、転写活性化には単にERがDNAに結合すればよいというわけではなく、そのほかにも多くの分子が関与する複雑な機構であることが分かってきている。

DNAメチル化は、細胞が「自分がどこにいるのか」を記憶できるように安定的に遺伝子発現パターンを変化させたり、遺伝子発現を減少させたりする。


全乳癌の約
7割がER陽性である。
遺伝性乳癌 ヒト乳癌体細胞変異の頻度の高い遺伝子
BRCA1 トリネガ多い

BRCA2 散発性乳癌と同様の特性 男性乳癌、膵癌、前立腺癌

 BRCA1は、DNA損傷時のシグナル伝達において重要な役割を持つことが知られており。細胞周期に依存したリン酸化を受けるほか、DNA損傷に伴ってリン酸化を受ける。リン酸化されたBRCA1はRAD51などのDNA修復蛋白と協調してDNA損傷を修復する[3]。RAD51はDNAのらせん構造を解きほぐしDNAの相同性を利用した損傷したDNAの修復を助けるが、RAD51を制御するBRCA1やRAD51と会合するBRCA2に変異があるとDNAの修復がうまくいかないことになる。

 

p53
細胞の恒常性維持やアポトーシス誘導における役割を担う。p53蛋白は転写因子として働く。Li-Fraumeni症候群はp53遺伝子に変異を認め、家族内に脳腫瘍、乳癌、白血病が多発する。

PI3K/Akt経路
細胞の生シグナル系の中心。この経路を負に制御するPTEN 遺伝子

Cowdenの原因遺伝子はPTEN遺伝子
PTENはPI3K-Akt系の機能を抑制する。多くの悪性腫瘍(脳腫瘍、乳癌、前立腺癌)などではPTENが点突然変異や欠失により高頻度に不活化されるPTENはPIP3をPIP2にリン酸化する酵素である。

トラスツズマブの耐性を検討する上で、最近、重要性が増してきているのが、細胞内でのPTENおよび PI3K経路の役割だ。癌抑制因子であるPTENは、その活性によりトラスツズマブの治療効果を高める一方で、活性の消失はトラスツズマブ耐性の指標となる。またPIK3CAの刺激によるPI3キナーゼ経路の活性化は、トラスツズマブ耐性をもたらすことが明らかになっており、PIK3CAの遺伝子増幅や発現増強は指標となる。


癌遺伝子
HER2/ErbB2/Neu
HER2に対する高い親和性で結合するリガンドはまだ不明。PI3K/AktおよびERK/MAPKシグナルを活性化することにより細胞増殖が促進される。

HER2 遺伝子の近傍にTOPOII遺伝子が存在し、HER2遺伝子増幅症例で共増幅がしばしば認められる。

c-MYC
BRCA1変異乳癌やBRCAがメチル化によって不活化されている散発性乳癌では、転写因子であるc-MYC遺伝子増幅が多くみられる。

Cyclin D1 (CCND1)
Cyclin D1はERに結合し、ERの転写活性を亢進させる。Cyclin D1遺伝子増幅あるいは過剰発現はER陽性乳癌の予後不良因子である。


細胞表面の
EGFRのリガンド
上皮成長因子 EGF の他、TGF-α、アンフィレギュリン (amphiregulin)、ヘパリン結合EGF様増殖因子 (Heparin-binding EGF-like Growth Factor; HB-EGF)[8] などと結合する。

HER1とはEGFRのこと、EGFR (HER1) のリガンドはEGFでありVEGFではない

ErbBファミリー
ErbB1 (= EGFR = HER1)、ErbB2 (= HER2)、ErbB3 (= HER3)、ErbB4 (= HER4) の4つが属する。

HER2-enrichサブタイプは、アンスラサイクリンに対する感受性が高い
ErbBファミリーはErbB2以外、対応するリガンドがある。ErbB2 のリガンドは不明である。


B
型慢性肝炎治療薬エンテカビル
2006年B型慢性肝炎治療薬のエンテカビル水和物(商品名:バラクルード)が製造承認を取得。エンテカビルは、ヌクレオシド(核酸)系逆転写酵素阻害作用を有する抗ウイルス薬であり、B型肝炎ウイルスHBV)の増殖を抑制する経口製剤である。

エンテカビルの最大の特徴は、その高い抗ウイルス効果である。エンテカビルは、ラミブジンに比べて有意に治療効果が高く、安全性は同等で、エンテカビル耐性のHBVの出現は認められなかったと報告されている。
本剤は、空腹時(食後2時間以降かつ次の食事の2時間以上前)に経口服用する。通常、成人はエンテカビルとして0.5mgを1日1回経口服用する。
HBs抗原陽性患者には、化学療法前に処方する。
肝炎ウイルスキャリア患者には、化学療法中にはステロイド投与行なわない

 

血管外漏出
抗癌剤の種類によっては、血管外へ漏出すると重篤な皮膚障害を引き起こすものがあります。乳癌治療に用いられるものでは、ドキソルビシン(アドリアシン)エピルビシンなどのアントラサイクリン系薬剤、ビノレルビンなどのビンカアルカロイド系薬剤、マイトマイシンCなどがvesicant drug であり、特に注意が必要です。

1)初期治療
起壊死性薬剤の血管外漏出が起きた、もしくは疑われた時は、すぐに点滴を止め、漏出部位に圧力がかからないようにする。5-10 mLのシリンジを用い、できるだけ漏出した薬剤や血液を吸引した後、カテーテルや針を抜去する。漏出した患肢を挙上する。

2)冷却
漏出部の冷却は、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン)とエトポシドを除くすべての起壊死性、炎症性薬剤で推奨される。間欠的な冷却は血管収縮を起こすことにより薬剤の広がりや局所の損傷の程度が軽減される。冷却圧迫も局所の炎症や痛みを軽減させるために有用である。
アントラサイクリン系薬剤(リポソーム製剤は含まず)は、漏出した日に限り、漏出後30-60分冷却し、その後15分毎に冷却を繰り返す。リポソーマルドキソルビシン、マイトマイシンCは、漏出後24時間は15-20分の冷却を1日4回以上行う。

3)加温
ビンカアルカロイド系薬剤やエトポシドの血管外漏出は、冷却することで潰瘍形成を悪化させることが動物実験で報告されているため、冷却は禁忌とされている。これらの薬剤は局所を温めることで血管拡張や血流量の増加によって薬剤が拡散、希釈されるとして推奨されている。漏出後24-48時間は15-20分の加温を1日4回以上行う。

タキサン系薬剤では冷却と加温のどちらがよいか明確になっていない。

表乳癌に汎用される抗癌剤の組織障害程度による分類

vesicant drug
ドキソルビシン(A)、エピルビシン(少量でも皮膚壊死や潰瘍形成を起こしうる)、ビノレルビン、マイトマイシンC

irritant drug
フルオロウラシル、シクロホスファミド、(漏出局所での炎症を起こしうるがイリノテカン、パクリタキセル、皮膚壊死や潰瘍形成には至らない) ドセタキセル

non- vesicant drug
メトトレキサート、トラスツズマブ


TNM
分類
T0  原発巣を認めず
T1mic ≦0.1
T1a 0.1<,≦0.5
T1b 0.5<,≦1.0
T1c 1.0<,≦2.0
T2 0.2< ≦5.0
T3 5.0>

pN0 : リンパ節転移がいずれの群にも認められないもの。
   i- : 免疫染色陰性
   i+ : 免疫染色陽性、0.2mm以下
   mol- : RT-PCR陰性
   mol+ : RT-PCR陽性

同側胸骨傍リンパ節に転移のみ認めた場合       N2b
同側鎖骨リンパ節 (level III) に転移を認めた場合    N3a
同側胸骨傍リンパ節にまで転移を認めた場合      N3b
同側鎖骨リンパ節に転移を認めた場合                    N3c

大きさ問わず胸壁固定あり、皮膚浮腫・潰瘍・衛星皮膚結節なし T4a
大きさ問わず胸壁固定なし、皮膚浮腫・潰瘍・衛星皮膚結節あり T4b
大きさ問わず胸壁固定あり、皮膚浮腫・潰瘍・衛星皮膚結節あり T4c
炎症性乳癌 T4d
胸壁固定(小胸筋、大胸筋は含まない)


イリノテカン塩酸塩
 乳癌(手術不能又は再発)

投与前、投与後の血液検査について
投与予定日(投与前24時間以内)に末梢血液検査を必ず実施し、結果を確認してから、本剤の投与の適否を慎重に判断してください。投与予定日(投与前24時間以内)の白血球数が3,000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満の場合は、本剤の投与を中止又は延期してください。
本剤の活性代謝物であるSN-38をグルクロン酸抱合し解毒するUGT1A1には、多数の遺伝子多型が存在することが知られています。遺伝子多型によってUGT1A1の発現量や酵素活性は変化します。 UGT1A1の遺伝子多型のうち、UGT1A128 (28 ) 及びUGT1A1 6 (6 ) は、イリノテカンの薬物動態や副作用の発現に影響することが分かっています。

J-score分類
陽性細胞の比率のみによる評価法で,1%,10%で陽性率を区分し,10%以上の腫瘍細胞が陽性の場合を陽性と判定する

Allred スコア分類
染色された細胞の占有率と染色強度を判定し,これら2 つの値を合計して8段階に分類したもので,3 以上を陽性と判定す。

 

超音波誘導下穿刺吸引細胞診
フォーカスはターゲットの中央か、やや深部に設定する。
23Gのカテラン針・穿刺角度45度でも針は描出される。
後方エコーが増強する腫瘤では偽陰性が少ない。

Good Clinical Practice
治験を行う製薬会社、病院、医師は「薬事法」という法律と、これに基づいて国が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」=GCPという規則を守る必要がある。この規則は欧米諸国をはじめ国際的に認めらている。

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